捨て猫拾ったら伊野尾くんでした
昨今の伊野尾くんと猫を組み合わせておけばなんとかなるだろという大人の作戦にまんまと釣られているヲタクです。
可愛いのはもう勘弁だよ~って言いつつテンションが上がってしまうのは許してもらいたい。だって破滅的に顔が可愛い。
Hanakoやシュシュアリス、志村どうぶつ園と何かと猫との共演が多い伊野尾くんを見ていると、もはや伊野尾くんが猫なんじゃないかと思い始めてきてしまう脳内パッパラパーはこちらです。
伊野尾くんとの出会い的な
(注意!)
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花冷えの夜、一匹の猫を拾った。
バイトの帰り道、小雨がしとしとと地面を濡らす。その音に混じってどこからか聞こえるか細い鳴き声。小雨の音にかき消されそうなそれを聴き逃さないように近付いていく。
道端の茂みに見つけたのは傘に守られた大きなダンボール。中をそっと覗くと、毛布に包まれた仔猫が震えていた。
「ちっちゃい・・・」
思わず呟いてしまった。しゃがみこんでそっと手を伸ばす。片手で持ち上げられる位に小さな身体は、夜の寒さですっかり冷たくなっていた。みぃ、と心許なく小さく鳴いて掌に擦り寄ってくるその姿に胸が痛んだ。
とくん、とくん。伝わってくる心音は、確かに生きているという証。
気付けば、その子を毛布ごと抱き抱えて、家路を急いでいる自分がいた。
その他諸々は、後で考えればいいのだ。
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ネットを駆使して懸命に看病した甲斐あってか、二週間ほどで家の中をぱたぱたと走り回れる位に元気になった仔猫。
艶のある黒い毛並みに包まれて、目は少し青みがかった灰色をしている。気分屋だけれど甘えん坊なのか、一日家を開けた後は控えめに擦り寄ってくる(あの夜に拾った時みたいに)。
たまたま通りかかったペットショップで一目惚れして買ってきた青のレザーに鈴が付いた首輪を付けてあげている時にふと気付く。
「あ、そうだ・・・名前。つけてなかったね」
すっかり看病に気を取られていて、名前を付けてあげるのを忘れていたのだ。この大きさだときっと名前も付けられることなく手放されたのだろう。
だったら、とびきり素敵な名前を付けてあげたい。
よいしょ、と抱き抱えて、ゆらゆら尻尾を揺らすその顔をじっと見つめる。大きな瞳が蛍光灯の光を受けてキラキラと煌めいて、まるで
「・・・宇宙みたい」
そう、二つの瞳の中に宇宙が存在しているような。ずっと見つめていたくなる瞳をしているのだ、この子は。
「宇宙・・・惑星・・・星・・・・・・」
けれどいざ考え出すとなかなか決まらないもので、結局布団に入ってからもあたしはしばらく頭を悩ませていた。
数分後、するり、と隙間から侵入してきたその子。お腹辺りに収まるのは就寝の合図。ぴたり、と動かなくなったのを確認して、明日には名前、決められるといいな・・・と目を閉じた。
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カーテンの隙間から差し込む光で目が覚める。ぼんやりとした意識が徐々に覚醒していく感覚。
先に起きていつも枕元であたしが起きるのを行儀良く待っている子がいない。珍しいこともあるもんだ、と大きく伸びをして起き上がる。
ピンポーン
不意に鳴るチャイムに驚いて時計を見ると、まだ八時を過ぎたばかり。こんな朝早くに・・・?と不思議に思いながら慌てて玄関に向かう。
そういえば玄関に向かうまでの道のりにあの子がいなかった、というのは後で思い出すことになる。
「はー・・・・・・・・・い、」
スローモーションに見えた、というのはよく聞くけれど、まさか実際に自分の身に起こるだなんて思わなかった。
線の細い身体、でもあたしより大きな背丈。目線を上げれば、ふわふわとした黒髪が陽に照らされてほんのり茶色に透けている。
猫のような大きな瞳があたしを捉えた瞬間。すうっ、と細くなる。ふっくらした唇の端がきゅっ、と上がって、
「ねぇ、」
と舌っ足らずな甘い声が響く。
「あのね、にんげんになれたよ、かみさまに、おねがいしたら、にんげんに、なれた」
そう嬉しそうにはにかんで言葉を零す彼の右手には、昨日あの子の首につけたはずの青いレザーの首輪。チリン、と控えめに音を鳴らしていた。
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っていうね!
今のビジュアルを変える気が無いのならこういうぶっ飛びファンタジー作品でも作ってください。